01
内側でどう働くか
基本的な恐れ
タイプ9の根源的恐れは、ひとりになることよりも、切れることのほうです。安心していられた場所から自分だけが外に出てしまう、というのが中身になります。この恐れが恐れの形で出ることはめったになく、その話を持ち出すと全部が動くから今はやめておこう、という気分として現れます。口に出されることがないので、外からは寛容さに見えます。
基本的な欲求
根源的欲求は安定で、中が揺れず、外が切れない状態を求めます。求めているのは、楽しさや評価や正しさよりも、その上で暮らせる平らな土台のほうです。穏やかさを求める人は多いのですが、タイプ9にとってのそれは、ごほうびや休憩というより、それがないと他の何も始まらない前提になっています。代金は気前よく払いますし、しかも本人は犠牲だと思っていません。請求書が届くのは何年か後になるので、そのころには理由のほうが分からなくなっています。
囚われ
タイプ9の囚われは日本語では怠惰と訳されるので、この言葉が誤解のもとになります。仕事の話とは別だからです。調停者はよく働きますし、まわりはその人を当てにします。怠けている先は自分のほうで、自分の状態に気づくこと、自分の希望を言葉にすること、納得していない点を認めること、そこで手が止まります。自分を忘れる、と言ったほうが近く、なまけとは関係がありません。
回り続ける輪
輪はこう閉じます。切れる恐れがあるので、摩擦が危険になります。摩擦を出さないために、タイプ9は自分の側を小さくして、反論も希望も速さも小さくします。小さくしたものは、やがて本人にも聞こえなくなります。自分の側が聞こえなくなると、つながっている相手は特定の誰かというより、その場の空気のほうになります。そこで、はじめの恐れと同じひとりの感じが中に生まれ、輪が閉じて、恐れは裏づけられます。
子ども時代のパターン
子供時代については、音を立てないあいだはその子の存在がちょうどよかった、という説明のされ方をよくします。目立たずそばにいるやり方を早くから覚えた、とも言われます。ただしこれは型の説明であるため、読んでいる人に起きた事実にはなりません。場の空気を先に読み、自分の状態を後から読む癖の出どころは説明できますが、自分の生い立ちと突き合わせられるのは本人だけです。
02
評価ではない3つの状態
良し悪しの尺度でも、あなたの段階の番号でもありません。状態は人生の中でも、1日の中でも変わります。
余裕があるとき、タイプ9はその場に本当にいます。違いは小さなところに出ます。部屋にいてもかまわない、という状態を越えて、ちゃんと部屋にいます。自分の意見はその会話の中で出てきますし、翌日まで待たずに出てくるので、相手の意見を消さずに済みます。仕事は締め切りに押されて始まるより、始めると決めたから始まるため、動き出しそのものが変わります。このときの落ち着きは受け身とは別のもので、そばにいる人がたしかに楽になるのも、役を演じたからというより、そうなっているだけです。
賛成が理解を追い越します。いいよ、という返事が、中で何かが引っかかるより先に出てしまうので、引っかかりを思い出すのは夜になります。用事の順番も逆になり、軽くて揉めないものが先で、自分のものは後にまわります。意見はありますが、全部決まってから出るため、意見というより愚痴に聞こえます。ここはそのままでかまわない場所で、タイプ9の多くはふだんここにいます。
囚われているとき、タイプ9は遠ざかりも押しもせず、鈍くなります。何かがおかしい、という信号が届かなくなり、嫌なことは見えているのに、他人の話のように刺さりません。行動の場所を惰性が占めるので、同じ動画を流したり、同じ片づけをしたり、終わらないタイムラインを見たりします。楽しいからというより、ここにいないためです。抵抗はひとつだけ残り、それは体のほうに出ます。言い返しはしないのに動かず、動かせません。外からは頑固に見えますが、中に頑固さはありません。何もありません。
下がるきっかけ
対立はむしろ、思われているより持ちこたえます。下へ落とすのは、どちらも同じくらい大事な二人のあいだで選ばされる場面のほうです。ここではどちらを選んでも片方とは切れますし、切れることだけは、この仕組みが許しません。もうひとつはもっと遅く働き、言わなかったことが静かに積もると、あるとき、もう手をつけないほうが早い量になります。どちらも音を立てないので、落ちた瞬間は中からはまず分かりません。
戻るきっかけ
上へ戻すのは、やる気や決心よりも、正しいかどうかが分かる前に始めてしまう小さな動作のほうです。一区画歩いたり、ごみをひと袋出したり、メールを一通送ったり、その程度のもので足ります。この型は体が先に動くので、頭は後から追いつきます。もうひとつ確実なのは、納得していない点をその日のうちに声に出すことです。翌日に出したものは、もう戻しません。そこにいなかったことを記録するだけになります。
03
自分だと気づきにくい理由
タイプ9が説明を読んで自分だと思えない、いちばん大きな理由はカウンタータイプの自己保存タイプ9にあります。この人は頑固で、自分で足りていて、性格のはっきりある人に見えるので、穏やかという印象からは遠いです。やわらかい、譲る、と書かれた説明を読むと、これは自分の話ではないと正直に判断します。ウィングと残り二つのサブタイプが説明するのは色合いのほうで、説明そのものが外れた理由は自己保存タイプ9にあります。
ウィング
9w8はタイプ8から真っ直ぐさと重さを受け取っているので、このタイプ9の静かさは、やわらかさより境界として伝わります。声を荒げることは少なく、それでいて動かされません。自分のものは言い争いで守るかわりに、場所を明け渡さないことで守ります。取り違えられるとしたら、遊離型の誰かよりタイプ8とです。
9w1はタイプ1から物差しを受け取っているので、このタイプ9は穏やかでありながら、何が正しいかをはっきり持っています。だから素直さは見かけほど広くありません。何にでも合わせますが、自分の考える順序に触れるものだけは別です。苛立ちもありますが、内側へ向かうため、声よりも仕事の仕上がりのほうに出ます。
生得本能のサブタイプ
自己保存タイプ9ナランホの言い方では食欲です。このタイプ9は人との接触を仕組みで置き換えるので、食べることや、決まった段取りや、いつもの道や、物の位置が決まっている家のほうへ寄っていきます。快適さの話というより、置き換えの話です。人と生きて向き合うのは高くつきますが、繰り返しなら同じ途切れない感じをもっと安く出してくれます。外からは自立して芯のある人に見えるため、三つのうちで穏やかという言葉にいちばん似ていません。
ソーシャルタイプ9参加です。この人が溶けるのは、相手というより集団のほうで、部署や、友人の輪や、共同の仕事に溶けます。集団のためによく働き、それを重く見せないので、タイプ3やタイプ2と取られます。違いは目的です。タイプ3は成果に、タイプ2は個人に働きますが、ソーシャルタイプ9は集団が続くことに働きます。抜けなくて済むからです。
セクシャルタイプ9融合です。ここでは一人の相手に溶けるので、相手の好みも、相手の速さも、相手の予定も自分のものになり、しかも強いられずに、跡も残さず進みます。外から見える感情の量が多いため、タイプ4やタイプ2と誤診されます。ただし中では、その感情は借りたものです。三つのうちでいちばん気づきにくい形になります。
カウンタータイプ
カウンタータイプというのは、その型の例外でも、薄まった型でもありません。どのタイプにも、自分のタイプの囚われに逆らう向きの生得本能が一つあり、そこから、ふつうの説明とほとんど逆さまの人物像が出てきます。タイプ9の囚われは自分を忘れることですが、カウンタータイプのタイプ9は自分を忘れないので、自分に要るものを知っていて、下手なタイプ8より強く守ります。素直さを探した読み手は固さのほうを見つけるため、タイプ9を候補から外します。仕組みはタイプ9のままで、向きが外へ出ているだけです。だから確かめる順番が、ふつうとは逆になります。説明が合わないと、まずタイプを変えたくなりますが、先に見るべきは生得本能のほうです。生得本能は深さを変えずに外側の絵を変えますし、ウィングより強く変えます。
生得本能については、タイプやウィング、状態よりも控えめに書きます。およそ半数の人では二つの本能がほぼ同じ強さで出るので、そのときは両方を並べて、自分だと感じるほうを選んでいただきます。
04
負荷はどこへ、成長はどこへ
負荷がかかると 6
負荷がかかると、タイプ9にタイプ6の特徴が出てきます。退行先はタイプ6ですが、タイプ6に変わるわけでもありません。型は変わらず、取れる反応の組み合わせのほうが変わります。出てくるのは確認です。昨日まで何も主張しなかった人が、やりとりを読み返したり、普通の一文に裏の意味を探したり、何がうまくいかないかを先に知っていたりします。ここでの不安には宛先があり、つながりが切れるかどうか、誰とのつながりか、というところへ向きます。外からは、部屋でいちばん落ち着いていた人が急に疑い深くなったように見えるので、本人よりまわりのほうが驚きます。
成長すると 3
成長方向、統合先はタイプ3です。ここで引かれるのは出世や野心よりも、自分のものを最後まで運び、自分のものとして差し出す力のほうです。仕上げること、名前を書くこと、立ち上がってこれは自分がやりましたと言うことです。タイプ9にとってこれは高くつきます。差し出したものには異議が出ますし、異議は摩擦だからです。止まるのはたいてい同じ場所で、仕事が出来上がって、あとは渡すだけという最後の一歩です。動き出した合図は速さに出ますが、慌ただしさというより、その用事が今日進むという速さです。
早めに出るサイン
落ちはじめは、広がる前につかまえられます。タイプ9の合図は劇的というより、生活の中にあります。休んでいたわけでもないのに、夜になって一日を何に使ったか言えないことがあります。自分に合わない話に三回続けて頷いていたと、今になって気づくこともあります。同じ段落を読み直したり、見たものをまた見たりしていて、それが退屈でもありません。こういう日が続いていたら、もう始まっています。いちばん当てになるのは最後のひとつで、きついことを言われたのに、中で何も動きませんでした。反応がないのは我慢強さというより、鈍りはじめた合図です。
05
間違えられやすい相手
4芸術家
タイプ4もタイプ9も遊離型で、どちらも内側で過ごす時間が長いです。分かれ目はひとつの問いです。自分に何が足りないか、言えますか。タイプ4は言えますし、言えることが毎日その人を傷つけます。タイプ9は言えませんが、言えないことは苦しみというより、むしろ落ち着きになります。中にはっきりした渇きがあるならタイプ4です。中が平らで空で、渇きという言葉が大げさに感じるならタイプ9です。
5研究者
タイプ5もタイプ9も遊離型で、どちらも消えるのが上手です。分かれ目は、その人がどこへ行くかです。タイプ5は体ごと行くので、扉を閉め、付き合いを減らし、自分のための蓄えを守りますし、蓄えの量は本人が数えています。タイプ9はどこへも行かず、体はその場に残して、注意だけを連れて行きます。しかも、いつそうなったかはたいてい取り逃がします。部屋を出るのか、部屋に残ったまま切れるのか。ここで分かれます。
6堅実家
タイプ6とタイプ9はどちらも愛着で、しかも線でつながっているので、負荷がかかるとタイプ9はタイプ6のように動きます。ここが誤診の元です。分かれ目は、疑いが出てくる時間です。タイプ6は先に確かめ、危ないところを声に出しますし、それが平常です。タイプ9は落ち着いているあいだ何も確かめず、自分の不安を体から、しかも後から知ります。疑いは常に働いていますか、それとも負荷のときだけ入りますか。常に働いているならタイプ6、負荷のときだけならタイプ9です。
06
体系のなかの位置
タイプ9はタイプ8、タイプ1と同じガッツセンターにいて、ここでの燃料は怒りです。ただしタイプ9の怒りは、タイプ8のように外へ出ておらず、タイプ1のように自分へ向いてもいないので、眠ったままになります。持久力も、動かなさも、ここから来ます。ホーナイの分けかたでは遊離型で、先に離れ、それから決めます。楽観型でもあるため、嫌なことはまず受け取れる形に置き換えられ、見るのはその後になります。対象関係では愛着で、つながりを土台として持つので、代金は自分で払うことになります。
07
よくある質問
タイプ9の適職は何ですか。
タイプごとの職種一覧は出しません。習慣のほかに裏づけがないからです。言えるのは条件のほうで、自分の考えを毎日押し通さないと進まない仕事は、タイプ9にとって高くつきます。その場にいることと流れを保つことが評価される仕事なら、安くつきます。役職というより、置かれる条件の話です。
日本人にタイプ9はどのくらいいますか。
外から持ってきた数字は書きません。出どころをたどれないものが多いためです。私たちの診断を受けた方の分布は、集まり次第そのページで公開しますし、出すのは自分たちのデータだけです。
健全度は9段階ではないのですか。
考え方としては9つありますが、結果としてお返しするのは3つの状態です。108問で分けられるのはおよそ3つまでで、9つに分けるには問題の数がまったく足りません。番号のほうが正確に見えますが、それは作った数字になります。
タイプ9の生得本能はどうやって決めますか。
同じ108問から出すので、別のアンケートは足しません。ただし四つの出力のうち、生得本能がいちばん決まりにくく、一位と二位が離れないときは、離れていないと表示します。サブタイプとトライタイプは別のもので、ここで出しているのはサブタイプのほうです。
タイプ9の有名人は誰ですか。
実在の人物のタイプは載せません。本人が受けていない診断の結果を、こちらで決めることになるからです。作品の登場人物は、作者の描き方という根拠があるので別に扱います。人物の名前で自分のタイプを決めるのは、いちばん外れやすいやり方でもあります。