基礎知識
エニアグラムとMBTI、結果が二つに割れたときの読み方
4文字のほうが先で、数字はあとから来た。あなたの順番もたぶんそうでしょう。二つが揃うと一行につなげて辻褄を確かめたくなりますが、合いません。どちらかの診断が悪いのではなく、つなげる操作に無理があるからです。ここで扱うのは、二つのモデルが人のどこを測るのか、変換表がなぜ成り立たないのか、それでも標本に何が見えるのか、結果が矛盾したらどうするかです。
01
各モデルが測るもの
16種類のコード、4つの選択からどう
- エネルギーの源
- 情報の集め方
- 判断の決め手
- 計画との付き合い方
9つの動機と縦の軸なぜ
MBTIの土台はユングの類型論で、それをブリッグスとマイヤーズの母娘が質問紙に組み直しました。測るのは四つの好みです。力をどこから得るか、情報をどう取り込むか、何を基準に決めるか、予定とどう付き合うか。どれも二者択一で、四つの選択を掛け合わせると16の記号になります。この4文字が答えるのは「どうやって」の問いです。どう働き、どう決め、集団の中でどうふるまうか。なぜそうするのかは、MBTIの質問の外にあります。
エニアグラムが線を引く場所は別です。九つのタイプを分けるのはやり方ではなく動機で、何を守ろうとしているか、いちばん恐れているものは何か、誰も見ていないときに注意がどこへ向かうか。同じタイプの二人が、働き方も付き合い方もまるで違うのに、内側では同じ課題を解いていることがあります。このモデルはタイプの上にウィング、本能、健全度を重ねます。つまり縦の軸があり、同じタイプでも余裕のあるときと囚われているときでは別人に見えます。MBTIにこの軸はなく、4文字は設計上、動かないものです。
算数の違いもあります。16は独立した四つの二分を掛けた数、つまり2の4乗です。九つのタイプはどの軸にも分解できず、組み合わせるとこの九つになる尺度の組は、誰も見つけていません。だから「INFPはエニアグラムの何タイプか」は、「血液型でいうと何座か」と聞くのと同じ形の問いです。どちらのモデルも人を描いていますが、向いている面が違い、共通の物差しがありません。
02
対応表が成り立たない理由
- 7
- 件の研究、2021年のレビュー、公表は1件
- 964
- 人、1998年の調査
- 19
- 人がタイプ6
| # | 1996年の本 | 調査による表 |
|---|---|---|
| 8 | EN | ESTJ · ENTJ |
| 9 | IS | ISFP · INFP |
| 6 | IF | 4 9 |
の人が再受検で別のMBTIコードになる
の場合、2つのエニアグラム診断でタイプが一致
エニアグラムとMBTIの間に対応はなく、こちらで作ることもしません。人を切る線が別だからです。ネットにある対応表は観察から書かれたもので、測られてはおらず、互いに食い違います。理由は三つあり、どれか一つで足ります。
一つめ。測定がほとんどなく、あるものもこの問いには答えていません。フックらによる2021年の系統的レビューが見つけた、エニアグラムのタイプとMBTIを突き合わせた研究は七本で、ほぼすべてが九十年代の未刊行の学位論文でした。最大のものは1998年、類型論の実務家団体の会員964人への調査ですが、エニアグラムのタイプ分けには信頼性を確かめていない自作の仕分け表が使われ、しかもタイプ6は全体で19人しかいませんでした。再現されているのは個別の文字との関連だけで、まず外向と内向です。タイプとタイプの対応を出した研究は一本もありません。
二つめ。対応表どうしが、一致すべき場所で一致しません。リソとハドソンは1996年の本でユングの八類型に対する自分たちの表を示し、一対一の対応はないかもしれないと自ら断っています。その表ではタイプ8は外向的直観型ですが、調査にもとづく表はどれもタイプ8をESTJとENTJに置きます。タイプ9は彼らの表では内向的感覚型、調査ではISFPとINFPです。タイプ6を彼らは内向的感情型と見ますが、そこは調査がタイプ4とタイプ9を置く場所です。片方がもう片方を細かくしたのではなく、同じ問いへの別の答えです。
三つめ。どちらの道具にもぶれがあり、ぶれる道具二つの間の変換は安定しません。MBTIの発行元自身の数字では、受け直した人のおよそ半数が別の4文字を受け取ります。連続した得点を真ん中で切っているからです。エニアグラムの主要な質問紙二つが同じ人に同じタイプを出すのは、百人中42人です。「タイプ4はINFP」という一枠の中身は、ぶれのある一つの標本での多数派にすぎず、隣の標本では多数派が入れ替わります。
03
実際に見られる重なり
| # | E/I | S/N | T/F | J/P |
|---|---|---|---|---|
| 1 | J | |||
| 2 | ||||
| 3 | ||||
| 4 | F | |||
| 5 | I6/7 | T7/7 | ||
| 6 | ||||
| 7 | E | |||
| 8 | ||||
| 9 | 安定した文字なし | |||
複数の研究で確認された文字
それでも大人数の標本には安定して見えるものがあり、それを黙っているのは表を描くのと同じくらい不誠実です。いちばん硬い結果はタイプ5です。2021年のレビューでは、内向との関連を七本中六本が、思考との関連を七本すべてが認めており、この分野で最も揺るがない発見です。タイプ7は同じくらい確かに外向へ寄り、タイプ4は感情へ、タイプ1は判断へ寄ります。タイプ9には安定した文字が一つもなく、16の記号にほぼ散らばって現れます。
読み方には向きと但し書きがあります。向きは一方通行です。エニアグラムのタイプが分かれば文字の見込みは少し絞れますが、文字が分かってもタイプはほとんど絞れません。どの記号の下にも三つか四つのタイプが、無視できない割合で暮らしているからです。但し書きは、これが割合であって規則ではないことです。1998年の調査では、タイプ2が16の記号のうち六つで有意に多く出ました。内向のタイプ7や外向のタイプ5は珍しくもなく、誤診でもありません。文字はふるまいを測り、タイプは動機を測る、その当然の帰結です。見えている重なりは表面にあります。力の向きは両方のモデルに同じように映りますが、タイプの核はどの文字にも書かれていません。
04
両方のモデルの使い方
- 文字からタイプは決まらない
- タイプに合わせて文字を曲げない
二つの問いへの二つの答えとして持っておいてください。4文字が語るのは、あなたがどう働くかです。力をどこから得て、情報をどう集め、何で決めるか。エニアグラムのタイプが語るのは、その間に何を守っていて、力が尽きたときどこへ流されるかです。前者は働き方を選ぶときやチームに自分を説明するときに、後者は同じ場面が三度めに繰り返されたときに役立ちます。
結果が言い争って見えるとき、たとえば文字は外向と言い、エニアグラムはタイプ5と言うとき、争いはありません。あなたは人づきあいのよいタイプ5で、それは矛盾ではなく構造です。タイプを確かめる物差しは動機で、ふるまいではなく、まして文字ではありません。タイプの説明に自分が見当たらないなら、先にサブタイプと健全度を見てください。外から見える姿を変えるのはその二つで、タイプを疑うのはそのあとです。
規則が二つ。文字からタイプを導かないこと。「INFPはだいたいタイプ4」は掲示板の統計で、あなたの事実ではありません。タイプに文字を合わせないこと。内向のタイプ8は、内向であるタイプ8というだけです。どちらのモデルも研究の蓄積ではビッグファイブに遠く及びません。どちらも自分を見る言葉として役立ち、どちらももう一方を裁きません。
05
よくある質問
INFPはエニアグラムの何タイプですか?
一つには決まりません。調査の標本では、この記号の下にタイプ4とタイプ9が他より多く出ますが、残りのタイプの割合も無視できず、標本をどこで集めたかで動きます。記号が語るのは情報の取り込み方と決め方、タイプが語るのは人を動かしているもので、前者から後者は出てきません。タイプを知る道は動機を問う設問で、表の4文字を引くことではありません。
同じエニアグラムのタイプでも、MBTIは人によって違いますか?
そう作られています。1998年の調査では、自分の4文字をよく知っている類型論の実務家の中でさえ、タイプ2は16の記号のうち六つで、タイプ7は四つで有意に多く出ました。タイプが決めるのは動機、文字が決めるのはやり方で、一つの動機はいくつものやり方で実行されます。文字の違うタイプ7の二人は、同じ文字のタイプ7とタイプ5より、互いに似ています。
MBTIとエニアグラム、当たるのはどちらですか?
問いが違うので、精度を比べるのは物差しと秤を比べることです。信頼性について分かっていることは、どちらにも都合がよくありません。MBTIは受け直すとおよそ半数が別の記号になり、エニアグラムの質問紙二つが同じタイプで一致するのは百人中42人です。ビッグファイブに並ぶ研究の土台はどちらにもなく、どちらも人に判定を下す道具ではありません。
ネットに対応表がこれほど多いのはなぜですか?
二語の検索を拾うのに、表はいちばん安上がりだからです。ほとんどは掲示板の自己申告から組まれ、そこでは内向的直観型が人口比の何倍もいます。あるいは互いに写し合っています。確かめ方は簡単で、三つの表を並べてタイプ8、タイプ6、タイプ9の欄を見てください。ばらばらに割れます。それが、そこで何かが測られたかどうかの答えです。
両方の診断を受ける必要はありますか?
両方の答えが要るなら、順番はどちらからでも構いません。4文字は、同僚に自分との働き方を説明するときに使えます。ウィングとサブタイプと健全度つきのタイプは、負荷がかかったとき自分に何が起きて、負荷が抜けたときどこへ戻るかを知るためのものです。片方がもう片方の代わりにはならず、片方でもう片方を確かめることもできません。